第268章 私と結婚してくれますか?

それだけでなく、三橋達也はさらに一歩前に出ると、口元に浅い笑みを浮かべて言った。

「ちょうど山の上で野暮用がありましてね。遠くからこちらに黒煙が立ち上るのが見えたので、山火事かと思って慌てて駆けつけたんです」

「まさか、兄さんが無事に戻られている姿にお目にかかれるとは。本当に嬉しい限りです」

その口調は真摯そのもので、宮本陽叶の無事を心から喜んでいるように見えた。

宮本陽叶はすでに福田祐衣を車に乗せ、シートベルトを締め終えて、ゆっくりと身を起こした。

彼が静かに横顔を向ける。その深淵な瞳が三橋達也を捉えた。視線は淡々としていたが、そこには人を射すくめるような凄まじい威圧感が伴ってい...

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